広報よこはま15ページ 2019(平成31)年2月号 ■かかりつけ薬局・薬剤師を持ちましょう  複数の病院に通っている場合、それぞれ別の薬局で薬をもらっていませんか?薬にも飲み合わせがあり、組み合わせによっては効果が弱くなったり、副作用が出る場合があります。また体調や生活のリズムに合わせた適切な服用のタイミングがあることもあります。この機会に、薬の利用の仕方を見直してみませんか。 ◇かかりつけ薬局・薬剤師は何をしてくれるの?  かかりつけ薬局・薬剤師は、あなたのことを理解してくれる「薬のパートナー」です。薬のことであれば、どのようなことでも気軽に相談にできますし、一人ひとりの薬の服用状況を把握して、適切なアドバイスをもらえます。 ◇かかりつけ薬局の決め方  通う薬局を1つに決めれば、そこがあなたのかかりつけ薬局です。  薬局の場所については、横浜市薬剤師会のホームページで確認してください。  「横浜市薬剤師会 薬局」で検索 ◇かかりつけ薬剤師って何?  薬の全体的な管理をしたり、休日・夜間などでも、薬に関して何でも相談できる薬剤師です。国が決める一定の基準をクリアした薬剤師の中から、患者本人と薬剤師で相談の上で決めることができます。手続き・費用などについては、かかりつけ薬局で確認してください。 【この記事に関する問合せは】健康福祉局医療安全課へ 電話045-671-3876 ファクス045-663-7327 ■連載コラム  知って、楽しむ はじめてのラグビー  ラグビーの楽しみ方や見どころ、ルールなどを紹介します ◇スーパーラグビー2019開幕  世界最高峰の国際プロラグビーリーグである「スーパーラグビー」が2月16日(土)に開幕し、東京でも2月23日(土)の国内初戦を皮切りに、6試合が行われます。  スーパーラグビーは、ニュージーランドやオーストラリアなどのラグビー強豪国のスター選手が多く参戦しており、スピード感溢れる攻撃的なプレーが多いことが特徴で、世界中で人気を博しています。  また、日本から唯一参加する「サンウルブズ」は多くの日本代表選手が在籍しているため、もう一つの日本代表と呼ばれることもあります。  2018シーズンでは過去最高の勝利数を収めるなど、毎年、着実な成長を遂げる彼ら。今季のスーパーラグビーでも世界の強豪たちへと立ち向かいます。 「スーパーラグビー」で検索 【この記事に関する問合せは】市民局ラグビーワールドカップ2019推進課へ 電話045-671-4587 ファクス045-664-1588 ■人権について考えよう 自分の価値観で誰かを傷つけているかもしれない  日常生活をしているなかで、自分の主観だけで物事を考えてしまうことは誰にでも一度はあるのではないでしょうか。例えば、朝の通勤時など急いでいるときに、前を歩いている人がゆっくり歩いていたりすると「もっと早く歩いてくれないかな」など、そんな思いがあなたの頭をよぎったことはありませんか?  もしかしたらその人は、早く歩くことができない事情があるのかもしれません。しかし、自分の価値観だけで相手や物事を見てしまい、決めつけてしまうことはありませんか?  実は、こうした「自分の価値観」であったり「〇〇することが当たり前」と決めつけてしまっていることが、自分ではしているつもりはなくても、人のことを傷つけてしまっていたり、差別や偏見につながってしまうことがあるのです。  食肉市場では、生きている牛や豚をと畜解体してお肉にしています。「お肉は好きだけど、牛や豚を殺すなんて自分ではやりたくないな」と思ってしまうことは、あなたが無意識のうちに持ち合わせている、生き物を殺すことへのマイナスイメージからくるものではないでしょうか?  生き物をペットとして可愛がることも、趣味で狩猟や釣りをすることも、と畜解体してお肉にすることも、動物の皮から革製品や楽器を作ることも、すべて人が充実して生きるために動物を利用しているだけに過ぎないのではないでしょうか?  ふとした時に自分の口から発している言葉や決めつけてしまっていることを、日常生活のなかから気づき、そして見直すきっかけにしてみましょう。 【この記事に関する問合せは】 経済局食肉市場運営課へ 電話045-511-0445 ファクス045-502-5989 ■横浜を感じるミニコラム アッとヨコハマ 『日本にあるアメリカ』 伊東 潤(歴史小説作家・ノンフィクション作家)  昭和35年(1960)に横浜市中区で生まれてから今日に至るまで、そこに住み続けている私にとって、本牧周辺の米軍根岸住宅地区は、そこにあって当たり前の「アメリカ」だった。   米軍関係者とその家族が笑顔で行き交う本牧の街角は、アメリカがそのまま引っ越してきたかのような錯覚さえ覚えた。とくに小港にあったPX(米軍基地内の日用品などを売る売店)は夜遅くまで灯りが消えず、いつまでも賑わっていたと記憶している。今は亡き柳ジョージ氏が『FENCEの向こうのアメリカ』で歌った光景そのままに、まさに本牧は日本にあるアメリカだった。  幼少時、周囲にアメリカ人の多い環境で育った私だが、米軍関係者やその家族に悪い印象はない。彼らは皆気さくで愛想がよく、米国人住宅がオープンになるカボチャ祭り(ハロウィン)の日など、私たち日本人の子どもにも分け隔てなくキャンディを与えてくれた。  中学生になると、米軍住宅の中にあるアメリカン・フットボール競技場によく行った。そこだけで食べられる巨大なホットドックは150円で、それだけで満腹になったのを覚えている。  だが高校生くらいになると反発も覚えた。高いフェンスの上に張りめぐらされた有刺鉄線や、英語で「Off Limits」と書かれたステンシルプレートを見ていると、日本が敗戦国だという現実が実感として迫ってきたからだ。  だがそれも今は、忘れられない故郷の点景になっている。懐かしさとほろ苦さの交じった横浜こそ、わが故郷である。 伊東 潤さんの写真(城巡りやウインドサーフィンなど、多趣味でも知られる) プロフィール 伊東 潤さん:作家。横浜市中区在住。早稲田大学卒業後、外資系IT企業等に勤務。2002年頃から執筆活動を開始。2007年『武田家滅亡』(KADOKAWA)デビュー。2010年から専業作家。2013年『国を蹴った男』(講談社)で第34回吉川英治文学新人賞、2014年『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を受賞。そのほかにも文学賞受賞歴多数。